連載エッセイ

「栄養ドリンクを飲み過ぎた経験」から得られたもの

投稿日:

疲れている時や、いまいち体調が優れない時などに、栄養ドリンクを飲む人は多いだろう。

栄養ドリンクは、おそらくそうした一時的な疲れや体調不良に効果を期待して飲むのが一般的だと思うが、私は一時期毎日のように飲み続けて、逆に体調が悪くなったことがある。

そんな経験をしたことのある人は、おそらくあまりいないだろうと思うので、ここではそれについて書いてみようと思う。

そもそも、私がなぜ毎日のように栄養ドリンクを飲んでいたのかを説明すると、「子どものころから虚弱体質で疲れを感じやすかった」というのが大きな理由である。

フリーランスになった今は毎日家にこもって作業をしているので良いのだが、以前オフィスワークをしていた時には、日々の疲れを和らげてくれる栄養ドリンクを頼りにすることが多かったのだ。

それでも、はじめから毎日飲んでいた訳ではなく、最初は疲れが気になる時に、たまに飲む程度だった。

朝コンビニで飲み物を買う時に、栄養ドリンクを一緒に買い、職場に着くと一本飲み干してから仕事に向かっていた。

しかし、そこから少しずつ飲む頻度は多くなっていく。

というのは、私は以前、コールセンターで長く働いていたのだが、コールセンターは暇な時期と忙しい時期で仕事量に差があり、コールの多い時には、ひっきりなしに電話を取らなければならない。

しかし、ハードワークに向いていない私は、ずっと電話をとりっぱなしでいると消耗してしまう。

また、一日の始まりである朝はいつも体がだるかったので、忙しい時期には、特別に疲れているという状態ではなくても、これから始まる一日に備えて「念のために」と思って飲むことが増えていったのである。

そして、栄養ドリンクを飲む頻度が増えた理由はもう一つある。

それは、コールセンターの仕事柄、「業務に対する心理的な負担が大きかった」ことだ。

コールセンターというのは、電話でお客様と話すだけの楽そうな仕事だと思う人もいるかもしれないが、意外と大変な仕事なのだ。

お客様とのやり取りは一つひとつに意味があるので、応対中は気を抜けないし、集中力が必要だ。

だが、疲れやすい私は、ちょっとの気の緩みがもとで、その後がグダグダになってしまうこともあり、精神的なプレッシャーや緊張感が満載の状態で仕事をしていた。

そんな状況が影響して、栄養ドリンクを飲んだ日に仕事をうまくやり遂げると、その後、飲まなくなって調子が悪くなることが怖くなったのである。

つまり、依存症とまではいかないものの、栄養ドリンクを飲むことが、ある種の「お守り」のような、「拠りどころ」のような存在になっていたと言えるだろう。

毎日飲んでいた時期には、毎日切らさないように栄養ドリンクを2種類ケースで買い置きしていたほどだ。

なぜ2種類を買い置きしていたかというと、前日残業して疲れがひどい時でも一定の状態で仕事ができるように、栄養ドリンクを飲み分けて調整していたのである。

たとえば、疲れがひどい時には「チョコラBBローヤル」というちょっと効果の強いものを飲み、普段は「チオビタドリンク」のような安くて効果も軽めのものを飲んでいた。

「チョコラBBローヤル」はわりと女性向けだが、「チオビタドリンク」などはサラリーマンとかおじさんが飲むイメージで、はじめはわずかに抵抗があったものの、味は独特とはいえまずくはないし、飲みにくいとも思わない。

むしろ、栄養ドリンクを飲むと、「これで仕事がしやすくなるかも」とどこか安心感すら覚えていた。

そんな栄養ドリンクに頼る生活は、数年間続いた。

しかし、そこまで栄養ドリンクを愛用していた私だが、「実際のところ効果のほどはどうだったの?」と問われたら、効果があったとも無かったとも、曖昧なことしか答えられない。

なぜかと言うと、確かに、飲んだ後の2~3時間ほどはちょっと元気になるようには感じていた。

だが、一日の終りごろになると、声がかすれて出にくくなるなど、飲んでいなかった時と比べて逆に疲れが増しているような気もしていたからだ。

それを考えると、「一時しのぎとして飲む」のには効果があったと言えるだろう。

あるいは、私が一日のうちで一番疲れが気になるのは朝だったので、求めている効果は得られていたとも言える。

しかし、逆に言うと、栄養ドリンクは「その場しのぎ」以上の効果は果たしてくれなかった。

たとえば、毎日飲んでいて「徐々に体力がつくようになる」とか「疲れにくくなる」といった長期的な良い効果は得られなかった。

むしろ、どちらかと言うと逆の方向に進んでいき、本格的に生活の仕方を変えるまで悪化の一途をたどっていったのである。

とは言え、それは栄養ドリンクの飲み過ぎだけが原因ではなかったし、栄養ドリンクが悪だと決めつけるつもりはない。

ただ私には、栄養ドリンクに含まれるカフェインの取り過ぎが良くないほうに影響したようだった。

そもそも栄養ドリンクは、「疲れているけど忙しくてやらなければいけないことがあるなど、一時的に疲れを軽くしたい時に、手軽に栄養補給ができるもの」として存在していて、常用するものではないのだろうから当然のことかもしれない。

しかし、その悪い事例のような飲み方から得られたこともあった。

「安易なやり方だけに頼っていては、結果も安易なものしか得られない」ということだ。

それでは、結局のところ、根本的な問題は解決しないのである。

そんな教訓を経て、栄養ドリンクの飲み過ぎという経験は、私が自分の体調や生活に根本から向き合って考えるためのきっかけの一つとなった。

今では、当時を懐かしく振り返るだけで栄養ドリンクを飲むこともなくなったが、そういう意味では、このことは私にとって必要なことを教えてくれた、良い経験だったと言えるだろう。

スポンサーリンク

  • この記事を書いた人

ミヤノ カナコ

ブログ運営歴5年目のブロガー・フリーランスライター。OL時代には、多くのカスタマーセンターやヘルプデスクでメール・電話での問い合わせ対応に従事。現在は、ブログでの情報提供のほか、エッセイの発信を中心に活動中。このブログでは、ブログのつくり方や文章の書き方など、ネットビジネスに役立つ情報をお届けします。

Copyright© ミヤノカナコ.com , 2019 All Rights Reserved.